
実家を相続した、あるいは親御さんが施設に入って家が空いた。
そんなとき、「解体も片付けもお金と手間がかかるから、とりあえずそのままにしておこう」と考える方は少なくありません。
その一方で、「放置していて本当に大丈夫なのか」という不安も、心のどこかに残っているのではないでしょうか。
空き家は、人が住んでいないからといって時間が止まるわけではありません。
この記事では、空き家を解体せずにそのままにした場合に、どのような問題が起こり得るのかを、国や自治体の公開情報をもとに整理します。
はじめに、この記事の要点を次のボックスにまとめました。
【この記事の結論:一番にお伝えしたいこと】
空き家を放置すると、主に5つの問題が重なって起こりやすくなります。①人が住まない建物は傷みやすく、倒壊や外壁・屋根の飛散で他人に損害を与えると管理責任を問われる場合があります。②庭木のはみ出し、悪臭、害虫、不審者の侵入など、近隣トラブルや防犯面の問題が生じます。③2023年12月施行の改正空家法により、管理不全空家の段階でも自治体から指導・勧告を受ける可能性があります。④勧告を受けると住宅用地の特例が解除され、固定資産税が最大6倍になる可能性があります。⑤資産価値が下がる一方で、維持費や管理の手間はかかり続けます。解体・活用・適切な管理のいずれを選ぶにしても、問題が大きくなる前の早めの判断が負担を抑える近道です。川口市では、条件を満たす場合に空家除却補助金(上限100万円)の活用も検討できます。
空き家を放置するとどうなる?起こりうる問題は大きく5つ
空き家は約20年で2倍に増えている。実家が空き家になるのは他人事ではない
国土交通省によると、使用目的のない空き家は、平成15年の212万戸から令和5年には386万戸へと、約20年でおよそ2倍に増えました。
きっかけとして多いのは、実家を相続した場合や、一人暮らしの親御さんが施設に入居した場合です。
放置されやすい理由としては、「解体費用をかけたくない」「家財を片付けられない」「将来使うかもしれない」の3つが挙げられています。
放置で起きる5つの問題の全体像
| 問題 | 具体的に起きること | 影響が及ぶ範囲 |
|---|---|---|
| ①建物の劣化・倒壊 | カビや傷みが進み、破損や倒壊の恐れが強まる。他人に損害を与えると管理責任を問われる場合がある | 所有者・隣家・通行人 |
| ②近隣トラブル・防犯 | 庭木のはみ出し、悪臭、害虫・ネズミ、不審者の侵入、放火の恐れ | 近隣住民・地域 |
| ③行政の指導・勧告 | 管理不全空家・特定空家として、助言・指導、勧告、命令を受ける可能性 | 所有者 |
| ④固定資産税の増加 | 勧告を受けると住宅用地の特例が解除され、税負担が最大6倍になる可能性 | 所有者 |
| ⑤資産価値の低下・維持費 | 売却や活用が難しくなる一方、税金・修繕費・管理の手間がかかり続ける | 所有者・相続人 |
これらの問題は独立しているわけではありません。
建物の劣化が進めば近隣への影響が大きくなり、管理不全の状態が続けば行政の指導や勧告、さらに固定資産税の負担増にもつながるおそれがあります。
空き家を放置すると、建物はどうなる?倒壊や損害賠償のリスクは?
人が住まない家は、なぜ傷みやすいのか
国土交通省によると、人が住まない家は老朽化が進むだけでなく、梅雨や夏に換気されないことでカビが発生し、破損や倒壊の恐れが強まります。
京都市の資料では、具体的な劣化の例として、雨どいの破損や屋根瓦の劣化・ずれが挙げられています。
劣化が進んでから対処するほど、修繕や解体にかかる手間と費用が大きくなる点にも注意が必要です。
倒壊や飛散で他人に損害を与えると、管理責任を問われる場合がある
自治体の広報では、空き家の適切な管理は所有者の責務であり、屋根や外壁の飛散などで他人に損害を与えた場合には、管理責任を問われる場合があるとされています。
放置された空き家は、地震や大雨などの災害で倒壊する危険性があることも、弁護士による法律相談の解説で指摘されています。
隣家との距離が近い土地では、被害が隣地に及びやすいため、早めの状態確認が大切です。
近所への悪影響や防犯面では、どんなトラブルが起きる?
庭木のはみ出し・悪臭・害虫など、近隣トラブルの典型例
国土交通省は、近隣への悪影響の例として、庭木のはみ出し、悪臭の発生、害虫やネズミが棲みつくこと、不審者の侵入を挙げています。
住んでいる方がいないために気づくのが遅れ、近隣の方が先に困ってしまうケースも少なくありません。
遠方にお住まいの場合は、とくに状況の把握が難しくなります。
不審者の侵入・放火など、防犯・防災面のリスク
京都市の資料では、放火や不審者が侵入する恐れのほか、景観への悪影響や地域の活力の低下も挙げられています。
警備会社のALSOKも、放置された空き家は所有者だけでなく地域にも多くの悪影響を及ぼすと解説しています。
「【川口市版】解体工事の近隣挨拶・完全ガイド|トラブルゼロで円満に進める方法とマナー」
「川口市の家を解体する方へ!近隣トラブルを劇的に回避する7つの魔法」
放置を続けると、行政から指導・勧告を受ける?管理不全空家と特定空家とは
2023年12月施行の改正空家法で新設された「管理不全空家」とは
2023年12月13日に施行された改正空家法により、「管理不全空家」という区分が設けられました。
これまでは、倒壊の危険など深刻な状態になって初めて「特定空家」に指定されていましたが、改正後は「このまま放置すれば特定空家になるおそれがある」段階でも、行政が指導や勧告をできるようになっています。
状態の例としては、塀や屋根の崩れ、窓の破損、ゴミの散乱、害虫や害獣の巣になっていることなどが挙げられます。
助言・指導から勧告、命令までの流れ
管理が不十分な空き家に対しては、市区町村が段階的に対応を進めます。
- 市区町村から、空き家の管理について助言・指導を受ける
- 改善されない場合、改善を求める勧告を受ける
- 特定空家等と判断され、さらに改善されない場合は、命令を受ける
命令を受けると、川口市の補助金が使えなくなる点に注意
川口市の空家除却補助金の交付要綱では、補助の対象条件の一つとして、空家法第22条第3項の命令を受けていないことが定められています。
つまり、命令を受けた後では、解体費用の補助を受けられない可能性があります。
補助金を活用して解体を検討されている方は、状況が深刻化する前に動くことが重要です。
「【最大100万円】川口市の空家除却補助金!解体費用が出る条件と申請期限2026」
「【2026年最新】川口市の解体補助金で最大100万円得する条件と申請手順」
空き家を放置すると固定資産税が最大6倍になるのは本当?
住宅用地の特例とは。放置で「増える」のではなく「優遇がなくなる」
住宅が建っている土地には、固定資産税を軽減する「住宅用地の特例」が適用されています。
200平方メートル以下の小規模住宅用地であれば、課税標準額が6分の1に軽減されます。
空き家で税金が6倍になるというのは、新しい税金が課されるのではなく、この優遇がなくなって本来の税額に戻ることを意味します。
勧告を受けると特例が解除され、税負担が最大6倍になる可能性がある
特例が解除されるきっかけは、自治体から勧告を受けることです。
改正空家法の施行後は、管理不全空家が勧告を受けた場合も特例が解除され、税負担が最大6倍になる可能性があります。
ただし、空き家であるというだけですぐに6倍になるわけではありません。
実際の税額は土地の評価額などによって異なるため、具体的な金額は市区町村の窓口でご確認ください。
放置すると資産価値は下がる?相続した空き家で気をつけたいこと
資産価値の低下と、住まなくても続く維持費
国土交通省は、空き家を放置すると資産価値が低下し、売買などが困難になると説明しています。
また、住んでいなくても、庭木の手入れや換気を定期的に行う必要があり、固定資産税や修繕費もかかり続けます。
「何もしなければお金がかからない」という考え方は、空き家には当てはまりません。
相続登記の義務化(2024年4月〜)に注意
2024年4月から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に手続きを完了しなければ、10万円以下の過料が科される可能性があります。
相続人が複数いて話し合いがまとまらない状況が続くと、その間も建物の劣化は進みます。
早い段階で家族と方針を共有しておくことが大切です。
「【相続した空き家】川口市の実家、解体すべき?放置は危険?税金と手続きの全知識」
「相続した川口市の実家は更地にして売るべき?古家付きとの徹底比較と解体費用を「譲渡費用」にする節税ルール」
「「実家の片付けが終わらない」を卒業!何から手をつけるべきか迷ったときの正しい順番」
放置せずにどうする?川口市の所有者が選べる対処法
「しまう」「活かす」「管理する」の3つの選択肢
国土交通省は、「しまう(除却)」「活かす(活用)」を示し、どちらも当面難しい場合は適切に管理するよう呼びかけています。
| 選択肢 | 内容 | 押さえておきたいポイント |
|---|---|---|
| しまう(解体・除却) | 建物を解体して更地にする | 解体費用がかかるが、劣化・倒壊や近隣トラブルのリスクを根本から減らせる。補助金を活用できる場合がある |
| 活かす(活用) | 売却・賃貸などで活用する | 建物の状態や立地によって可否が分かれる。空き家バンクなど自治体の制度もある |
| 管理する | 定期的な換気、庭木の手入れなどで状態を保つ | 当面の対応として有効だが、税金や修繕費などの負担は続く |
解体を選ぶなら、川口市の空家除却補助金(上限100万円)を確認
川口市の公開資料では、補助額は、補助対象工事費の5分の4に相当する額と、床面積1平方メートルにつき2万円の額のうち、いずれか低いほうで、上限は100万円です。
主な対象条件は、1年以上使用されていないこと、空家法第22条第3項の命令を受けていないこと、市内の空き家であること、所有者等(二親等以内の親族を含む)で地方税を完納していることなどです。
不良住宅と判定された空き家など、所定の要件のいずれかに該当する必要もあります。
この要綱は2026年6月16日に最終改正されているため、条件や金額が変更されている可能性があります。
申請をお考えの方は、着工前に川口市へ相談し、最新の案内をご確認ください。
解体前に押さえたい費用・アスベスト・近隣挨拶
解体を決めた後は、費用の相場、アスベスト(石綿)の調査、近隣への挨拶もあわせて確認しておきたいポイントです。
当社サクサク武岡は、川口市を拠点に木造家屋の解体を中心に手がけています。
「30坪の木造住宅は総額いくら?川口市での解体費用、見積りシミュレーションとコスト削減の秘訣」
「【川口市・2006年以前の家屋は必読】アスベスト解体・調査義務の全知識と費用、最大300万円の補助金申請ガイド」
「川口市の解体|重機が入らない狭小地・裏路地の実家解体マニュアル」
「解体して終わりじゃない!川口市の実家・空き家解体ガイド|後悔しない費用知識と未来へつなぐ土地活用プラン」
まとめ:空き家の放置は問題が重なる。早めの判断が負担を減らす
空き家を解体せずに放置すると、建物の劣化・倒壊、近隣トラブルや防犯面の問題、行政の指導・勧告、固定資産税の負担増、資産価値の低下と維持費という5つの問題が重なって起こりやすくなります。
とくに改正空家法以降は、管理不全空家の段階でも勧告を受けて税負担が最大6倍になる可能性があり、川口市の補助金も命令を受けていないことが条件の一つです。
まずは空き家の現状を確認し、ご家族で方針を話し合うところから始めてみてください。
解体を検討される場合は、補助金の条件や費用の見通しも含めて、専門の業者に相談することをおすすめします。
空き家の放置に関するよくある質問(Q&A)
Q. 空き家を放置すると、すぐに固定資産税が6倍になりますか?
A. いいえ、空き家であるというだけで、すぐに6倍になるわけではありません。自治体から勧告を受けて住宅用地の特例が解除された場合に、税負担が最大6倍になる可能性があります。
Q. 解体費用を負担するのが難しい場合、川口市の補助金は使えますか?
A. 川口市には空家除却補助金があり、上限は100万円です。ただし、1年以上使用されていないことや、命令を受けていないことなど、所定の条件を満たす必要があります。申請前に川口市の最新の案内をご確認ください。
Q. 遠方に住んでいて、空き家の管理に頻繁に通えません。どうすればよいですか?
A. 解体や活用がすぐにできない場合は、適切な管理が必要です。通うのが難しい場合は、管理を続けるのか、解体や活用に進むのかを早めに決め、専門の業者や自治体の窓口に相談することをおすすめします。
【空き家の解体・放置でお悩みの方は、サクサク武岡にご相談ください】
「空き家をどうすればよいかわからない」「解体するといくらかかるのか知りたい」「補助金が使えるのか確認したい」。そのようなお悩みをお持ちの方は、ぜひサクサク武岡(有限会社武岡)にご相談ください。当社は埼玉県川口市を拠点に、東京都・埼玉県・千葉県エリアで、木造家屋の解体工事を中心に承っております。外壁塗装までワンストップで対応しており、相続や空き家に関するご相談もお受けしています。放置による問題が大きくなる前に、まずは現状をお聞かせください。お客様のご事情に寄り添いながら、最適な進め方をご案内いたします。